過去拍手SS
□親の心子知らず
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悟チチ+悟飯ver.
「悟飯ちゃんは偉い学者さんになるだよ」
チチはそう言ってベビーベッドでよく寝ている悟飯の頬を突付いた。
「オラ、早く悟飯と一緒に修行がしてえなぁ〜」
悟空の呟きにチチの目かキラッと光る。
そしてギッと睨みつけ叫んだ。
「いいやっ、悟飯ちゃんには絶対に武道はさせねえだっ!!」
「いいっ!?」
突然のチチの宣言に悟空はたじろぐ。
「何でだよっ!? いいじゃねえかっ修行してもよっ!!」
「駄目だっ!! 世の中平和になったんだ。これからはお勉強の時代だ!! 武道なんか必要ねえっ!!」
ビシッと指を突き出し、叫ぶ。
「……いいじゃねえかよ……」
「よくねえっ!! 武道なんて一銭の足しにもなんねえだっ!!」
「……」
尤もな意見だ。それについては悟空も何も言えない。もとよりチチに口で勝てるわけがない。
「……でもよぉ、ちょっとくれえいいじゃねえか…?」
「よくねえ!!」
「でも……」
今回ばかりは悟空も引かない。
「……なんかさ、悟飯の力が必要になるような気がすんだけど……」
「そんな事にはなんねえ!! 悟飯ちゃんの力が必要になるとしたら、働かねえおめえに代わって稼いでくれるってくれえだ!!」
「……」
その時、チチは何かを思いついたように言った。
「そうだ悟空さ、悟飯ちゃんと修行させてもいいけんど……」
「ホントかっ!?」
悟空は嬉々として叫ぶ。
「おめえが働くならな」
半眼で口角を上げながら言うチチに、悟空は何も言えなかった。
しかし数年後、そんなチチの願いも虚しく、悟飯は闘いに巻き込まれ悟空と共に修行をする事になるとは、その時チチは思いもしなかった…。
そして悟飯は、そんな両親の願いも知ってか知らずか、ただスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
end