リクエスト・捧げもの

□Cold day and warmth
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 パオズ山のある寒い日……。


「ねえおかあさん、おとうさん大丈夫?」

 氷枕に氷を詰めているチチに悟天は心配顔で見上げてくる。

「大丈夫だべ」

 そうニッコリ微笑んで言ってやる。しかし悟天の顔は晴れそうにない。

「……だっておとうさん……苦しそうだったんだもん……」

 昨日、修行から戻るなり真っ赤な顔をして具合の悪そうな悟空を見てから、悟天は心配で仕方がない。

 悟空はすぐに寝室で横になったので、悟天はその悟空の姿が頭から離れない。

 チチは「ただの風邪だから大丈夫だけど、伝染るから傍に行っては駄目だ」と悟天に言い聞かせたが、悟天は母の目を盗んで何度か父の様子を見に行こうとした。
 その度に母や兄に見つかってしまい「だって心配なんだもん……」としょんぼりした顔を見せた。

 チチも悟飯もその様子に苦笑してたしなめるのだが、悟空が心配で傍に行きたい悟天の気持ちもわかる。

 だからと言って悟空の傍に悟天を近付けるわけにはいかない。

 なんせこのサイヤ人の親子は意外と風邪や発熱に弱い。怪我はよくするし痛みも平気なくせに、普段縁の無い病気にかかると途端に寝込むのだ。

「おっ父は大丈夫だから。な?」
「……うん……」


 しょんぼりと俯く悟天の姿にチチも悟飯も胸が痛んだ。



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