お題・英単語

□zoo-動物園-
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「銀ちゃん、動物園ってところに行ってみたいアル!!」

 椅子にふんぞり返り、いつもの如くジャンプを読んでいる銀時に神楽は唐突に言った。

「あ?動物園だと?」
 相変わらずやる気のなさそうな目だけを神楽に向けて、銀時は唸るように言う。
「そうアル!! さっきテレビで言ってたアルヨ!! パンダって動物がやってきたって言ってたアル。見てみたいアルネッ!!」
「おいおい……パンダなんて大して珍しくもねえぞ」
 銀時は身体を起こし、手をひらひらと振った。
「ウソアルッ!! テレビで言ってたネ」
 神楽は身を乗り出し、ドンッとテーブルを叩いた。
「ウソじゃねえよ。パンダなんて結構どこの動物園にもいるもんだ。それにテレビったって結野アナが言ってたワケじゃねえだろ?だから嘘なんだよ」
「ウソじゃないアルッ!! パンダは珍しいアルッ!!」
「お前その辺の店見てみろ?珍しい動物のキャラクターグッズがいっぱい売ってるか?パンダのグッズなんて腐るほどあらあ。その時点でそれはもう珍しくも何ともねえんだよ」
 ジャンプに視線を戻し、面倒くさそうに言った。
「……そういうもんアルか?」
 何だか胡散臭いものを感じるといった顔で銀時を見る。
「そういうもんそういうもん。それよかお前、そろそろ定春の散歩行かねえといけねえだろうが?」
「あ、そうアル!! ゴメンね定春、行こ!!」
「ワンッ!!」
 先程までしていた話のことなどすっかり忘れたように、神楽はソファから軽快に飛び降りた。


「……つか銀さん」
「あ?」
「どういう根拠ですか、それ……」
 神楽の向かいのソファで事の成り行きを見守っていた新八は、神楽が玄関から姿を消すのを確認してから銀時に言った。
「根拠も何もそうに決まってんだろ?結野アナが言うことは正しいんだよ。それ以外は却下」
「いや銀さん……結野アナがどうとかはこの際ツッコむ気はないですけど、パンダグッズがいっぱいって時点でパンダが珍しくないって何の根拠ですか?」
「うっせーよ新八。変なこと言ったらアイツが動物園に行くって聞かなくなっちまうだろうが」
 普段からやる気の無さそうな目が今は新八を睨みつけるように見ている。
「別にいいじゃないですか、動物園くらい」
 新八は呆れながら言った。
「バカかお前。動物園つったってタダじゃねえんだぞ。入場料がいんだぞ?金がいるんだぞ?」
 ふんぞり返っていた銀時は椅子から身を乗り出した。
「まあ確かに……」
「それにお前、あん中入ったってそれだけじゃ済まねえぞ。神楽のこった、やれ腹減っただの、ぬいぐるみが欲しいだの……」
「……そうでしょうね……」
 確かにそうだろう。神楽のことだ。動物園に入るだけでは済むまい。あれが欲しい、これが欲しいと言ってくるのは目に見えている。
 それこそ入場料以上の金を使わされることになるだろう。

「つーか、わざわざ動物園になんか行かなくたって、ここが動物園みてえなモンだろうが?」
「へ?」
 銀時の言葉に新八は思わず間の抜けた声を上げた。
「見てみろ。定春にエリザベス。動物園なんかよか珍しい動物がいてるじゃねえか?」
「あ……そうですね……」
 定春がいい例だ。そんじょそこらにいる動物ではない。宇宙生物である。エリザベスにしてもそうだ。(中の人はシフト制らしいが)
「それにこのかぶき町にはゴリラもいるぞ。マヨラーにドSにドMにマダオ。からくりに猫耳おばさん。その他モロモロ。数えたってキリがねえ」
 うんざりとした顔で銀時は呻く。
「……ホントですね」
 新八も銀時と同じような顔をした。
「まあここが動物園みてえなモンだな」
 うんうんと銀時は頷く。
「……わざわざ動物園に行く必要ないですね……」

 新八は盛大に嘆息した。




 end

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