雨の日の唄

□雨の日の唄1〜30
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雨の日の唄13


「ねえねえ兄ちゃん。」

 薪を抱えた悟天が、戻ってくるなり口を開いた。

「なんだ、悟天?」
「れんあいってなに?」
「へっ!?」

 悟天は唐突にとんでもない事を口走った。

「な、な、な、何言ってるんだっ!?」

 僕はまだ7歳の悟天からこんな言葉が出るとは思えなかった…って何言ってるんだ、悟天はっ!?

「どこでそんな言葉覚えたんだっ!?」

 とてもうちで出るような言葉ではない。…てコトは…。

「トランクスくんだよ。」

 やっぱり…。

 トランクス…ませすぎだよ…。さすがブルマさんの子だよ…。

「あのね、兄ちゃんとビーデルおねえちゃんがれんあいしてるってトランクスくんが言うんだ。」
「悟天っ!?」

 僕は慌てて悟天の口をふさいだ。

 そしてまわりを見回す。

 よかった…ビーデルさんはいない…。

「兄ちゃん苦しいって〜っ!!」

 悟天は僕の腕の中でもがいた。

「お前っ、そんな言葉ここでは絶対に使うなっ!!」
「なんで?」

 キョトンとして訊ねて来る顔はお父さんそっくりだ。
 というか、お父さんそのものだ。

 今でこそお母さんの教育?のお陰である程度の一般常識は備わってはいるが、昔は相当酷かったらしいし。

「とにかくっ、絶対に使うなっ!!」
「…う、うん…。」

 超化するんじゃないかと思うくらい気が高まってしまった。

 その証拠に悟天の顔が強張っている。

 
 トランクスにまでお見通しなのか…?

 僕はこの手の事が苦手だから…。

 もっともっと修行しなきゃな…。

 僕は深い深い溜息を吐いた。


 end
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