雨の日の唄
□雨の日の唄1〜30
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雨の日の唄14
「ねえ、ビーデルねえちゃん。」
「なあに?トランクス君。」
カレーに使う野菜を洗っている私にトランクス君は突然声をかけてきた。
「ビーデルねえちゃんてさ、悟飯さんの事好きでしょ?」
「!?」
思わずじゃがいもを落としてしまった。
「あ〜あ、ねえちゃん、何やってんだよ。」
トランクス君はそう言いながら落ちたじゃがいもを拾った。
「な、な、な、何言ってんのかしらっ!?トランクス君っ!!」
「…ねえちゃん、動揺しすぎだって…。」
トランクス君は呆れ顔で言った。
「わかりやす過ぎるんだよねえちゃん。でも、悟飯さん、ねえちゃんに輪をかけて鈍感だから、きっと気付いてないよ。」
バ、バレてるわけ?
確かにあの世でブルマさんにそんな事言われたけど…。でも、まだ子供のトランクス君にもわかっちゃうなんて…。何やってんのよ私っ!!
「まあ、悟飯さんにはバレてないんだから。オレ達協力するよ?」
「子供が何言ってんのっ!?」
ニタニタ笑いながら言うトランクス君を怒鳴ってしまった。
それでもトランクス君は不適な笑みをやめない。
「ねえちゃん、悟飯さんみたいな天然、どうやってオトすワケ?一筋縄ではいかないよ?」
「うっ…。」
痛いところつくわね…。さすがベジータさんとブルマさんの子だわ…。悟飯君より大人なんじゃない?
そうなのよね…。悟飯君、天然過ぎて男女の好きとかってわかってるのかしら?
いっその事トランクス君に協力して貰おうかしら…。
ダメダメっ!!そんな事ダメよっ!!
満面の笑みを浮かべながらじゃがいもを渡してくるトランクス君を睨んでいる私の顔は、きっと真っ赤なんだろう。
end