雨の日の唄

□雨の日の唄1〜30
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雨の日の唄28


「ねえねえ?おねえちゃん。」

 ぼくは大好きなビーデルおねえちゃんがカレーを作ってるところに来たんだ。

 だって、さっき兄ちゃんがすっごく気をおっきくしてこっちに向かって来たのがわかったから、トランクスくんには悪いけど逃げて来ちゃった。

「どうしたの?悟天君?」

 ビーデルおねえちゃんはニッコリ笑ってこっちを向いてくれた。

「あのね…」

 言っちゃってもいいかな?でも兄ちゃん、言うなって言ってたし…。

 でもトランクスくんの言うとおりだと、ぼくががんばらないといけないんだよね?

「ん?」

 ビーデルおねえちゃんは不思議そうに、でも優しい笑顔でぼくの顔をのぞきこんでくれたんだ。

「あのね…おねえちゃん、兄ちゃんのこと好き?」
「ご、悟天君っ!?」

 あれ?おねちゃんびっくりしちゃった?

「だってね、ぼく兄ちゃんとおねえちゃんの赤ちゃんが見たいんだ。兄ちゃんとおねえちゃんがれんあい”ってのをしたら赤ちゃんが生まれるんでしょ?」
「悟天君っ!?」

 あれれ?おねえちゃん真っ赤になっちゃた。

「…ご、悟天君、それはちょっと違うのよ。」
「そうなの?」

 トランクスくん、嘘ついたの?

「必ずしもそうとは限らないってコトよ。…悟天君…お兄ちゃんと私の…その…赤ちゃんが…見たいの…?」
「うん!!だってぼく、兄ちゃんとおねえちゃんが大好きなんだもん。大好きな兄ちゃんとおねえちゃんの赤ちゃんが見たいの。」

 ぼくがそう言ったら、おねえちゃんは赤い顔をしてびっくりしたんだけど、すぐにすっごく優しい顔になったんだ。

「…ありがとう、悟天君…。」

 おねえちゃんはそう言ってぼくのほっぺたを撫でてくれたんだ。

「…私も…そうなれるように…頑張るわ…。悟天君、応援してくれる?」
「うん!!おねえちゃん大好きっ!!」

 ぼくがおねえちゃんに抱きついたら、おねえちゃんはギュッとしてくれたんだ。


 なんだかおかあさんみたい。

 おねえちゃん、おかあさんに似てるんだ。


 兄ちゃんもぼくも、おかあさんが大好きなおとうさんにそっくりだって言われる。

 だから、おかあさんに似てるおねえちゃんが好きなことがうれしくなったんだ。


 早く赤ちゃんが見たいな。


 ぼくはもっともっとおねえちゃんにギュッとした。


 end
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