雨の日の唄

□雨の日の唄1〜30
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雨の日の唄4


 昼飯を終え、ついにやってくるチチとの甘い時間。

「とにかく洗い物したらすぐに行くから待っててけれ」

 と言うチチをリビングのソファに横になりながら大人しく待っている。

 こういう時はやけに雨音が耳につく。

 どしゃ降りならまだしも、しとしとと降り続く雨は妙に眠気を誘う。

 ダメだ!!ここで寝てしまっては、せっかくのチチとの時間が流れてしまう。

 その気持ちだけが意識を覚醒させる。

「お待たせ」
「遅えぞ!! ずっと待ってたんだかんな!!」

 待ってましたとばかりに身体を起こす。

 そして手招きをして、近付いてきたチチの腕を掴む。

「きゃっ!?」

 小さな悲鳴は耳のすぐ傍。

「へへっ!!」

 チチの華奢な身体は自分の膝の上。

「いきなり何するだ!?」

 怒りながらもチチの顔は赤い。

 いつまで経ってもこういうところはかわいすぎんだよなぁ…… って思うと、愛しさが膨れ上がってくる。

 膨れるチチの頬に軽くキスをする。

「もう!! 悟空さったら!!」

 真っ赤な顔で睨みつけてくるけど、その表情がまた堪らなくかわいい。

「やべっ、我慢できねえや」
「へっ?」

 キョトンと大きな目を見開くチチに、箍が外れた。

 その瞬間、チチをソファに組み敷いていた。


 やっと訪れた甘い甘い時間。

 絶対に無駄にしてやるもんか。


 end
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