雨の日の唄

□雨の日の唄1〜30
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雨の日の唄6


 雨音に誘われて寝てしまっていたのか。

 腕の中にいたはずのチチの姿がない。

 慌てて身体を起こす。

「チチッ!?」
「何だべ?」

 チチがひょっこりと台所から顔を出す。
 その姿は先程の乱れてしまった黒髪ではなく、すでにお団子にひっつめられていた。

「……あ、いた……」

 チチを確認するとホッとした。

「一体なんだべ? あ、悟空さ、早く服着てけろ。子供達が帰って来ちまうだ!!」
「お、おう」

 さすがにこんな姿を子供達に見られるのはマズイ。

 子供達の気はまだ近付いていないが、慌てて下着を着け、服を着た。

 その途端電話が鳴った。

「悟空さ、悪いけんど出てくれ」
「おう」

 そう言って受話器を取る。

「もしもし」
『あ、その声は孫君ね?』

「なんだブルマか」

 電話は相手はブルマだった。

『なんだはないでしょ』

 ちょっと不貞腐れ気味言うブルマ。

「悪い。で、何か用か?」
『今度うちでキャンプ場のカプセルを開発したのよ。それでね、悟飯君と悟天君にもモニターになって貰いたいのよ』

「ふ〜ん、いいんじゃねえか? アイツらさえ良けりゃ」
『そう言うと思った。それでね、明日土曜で学校お休みでしょ? だから今日から日曜までモニターして貰いたくて』

「……てコトは……」
『今日から日曜までうちで預かるわ』

 今日から日曜までチチと二人っきり!?

「サンキューブルマ!!」
『え? 何が? ……あ、ああ、そういう事ね』

 すぐに意味がわかったのだろう。ブルマはクスッと笑った。

『ほどほどにしときなさいよ。チチさん、アンタみたいな体力バカじゃないんだから』
 
 そう言って電話を切った。

 子供達には悪いが今はチチとの時間を満喫したい。

 心の中で帰って来ない事を喜んでしまった事を詫び、意気揚々と台所のチチの元へ向かった。


 end
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