雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄46


 寝ぼけて超化したのか?

 悟天は先程と打って変わってスヤスヤと気持ち良さそうな寝息を立てている。

「…悟天君…どうしちゃったの…?」

 突然の悟天の超化に、ビーデルさんは驚愕していた。

「さ、さあ…?でも…寝ぼけた…って…?」


 確かに悟天は時々寝ぼける。

 夜中に「お父さんが超サイヤ人になった!!」とか叫んで起きたりするけど…。

 まだ子供だから見て見ぬ振りを知らないから、その後なだめるのに苦労する…。

 うちの両親、仲がいいのは構わないけど、ちょっとは思春期の長男を慮ってくれても…って思う事もあると言えば…ある…。

 気が高まっただけで何が起こったとかってわからないけど、容易に想像できるから困る。

 最初は困ったけど、最近は慣れたというか、悟天が時々気付いて起きる時以外は熟睡している。


 そんな事を考えていると、顔が熱を発したように熱くなった。

「悟飯君?どうしたの?」

 突然顔を赤くしている僕を怪訝に思ったのか、ビーデルさんが声をかけてきた。

「な、何でもないですっ!!」

 ちょっとびっくりして声が上擦った。

「?」

 
 それにしても…悟天は何で寝ぼけたんだ?

 その時、ふとある事が脳裏に浮かんだ。


 …トランクス…?

 まさか、トランクスのヤツ、僕達の事覗き見ていて、それで悟天を起こそうと…?

 トランクスを見やる。

 トランクスは僕の視線に気付いて、目を泳がせながら思いっきり汗をかいて引きつった笑顔を浮かべていた。


 原因はこれか…。


 僕は先程の顔の火照りに加えて、見られていた恥ずかしさと、トランクスの抜け目なさを見抜けなかった事に、更に顔が赤くなるのを感じた。


 end
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