雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄47


 ちょっとしたハプニングはあったけれど、ビーデルさんに僕の過去の一部を話す事が出来た。

 本当はすごく怖かった。

 彼女を怖がらせてしまうかも知れない。彼女に嫌われるかも知れない。

 それでも、彼女に話さずにはいられなかった。

 彼女に僕の事を知って貰いたかった。

 普通ではない僕を、受け入れてくれるかずっと気になっていた。

 いなか育ちだからではなく、普通ではない生い立ちの僕を、受け入れてくれるのかを。

 
 だけど、全てを話したわけではない。

 ほんの一部だ。

 僕の、今まで経験してきた中の、ほんの一部にしかすぎないのだ。

 
 全てを話した時、彼女はどういう反応をするのだろう?

 今日でも少し怖いと言った。彼女は正直だから。

 それでも、関係ないと言ってくれた。

 でも、僕の全てを話した時、今日のように関係ないと言ってくれるのだろうか?

 
 彼女には受け入れて貰いたい。

 他のどんな人に拒絶されても、彼女にだけは受け入れて貰いたいんだ。

 出会いのその時から尻尾もあって、尚且つ明らかに普通ではなかったお父さんを好きになったお母さんのように。

 お父さんが地球人ではないと聞かされても、大猿の正体を知らされても、それでも微塵も気持ちが変わらなかったお母さんのように。

 僕にもそういう人が現れて、それが彼女であればいいのにと願う。


 悟天とトランクスを挟んだ向こうに彼女が眠っている。

 若干の緊張を覚え、それでも眠りに就こうと努力する。

 が、やっぱり好きな彼女がそこで眠っているのだ。


 明日は寝不足だな…。


 今日何十回目の溜息を吐いて目を閉じた。


 end
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