雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄31


「おいしいよ、ねえちゃんっ!!」

 トランクスが感嘆の声を上げる。

「ぼくもお手伝いしたんだよ!!」

 悟天が胸を張る。

「ありがとう。悟天君もたくさんお手伝いしてくれたから助かったわ。」

 微笑みながら言うビーデルさん。

「…僕何もしなくて…ごめんなさい…。」

 僕は悟天とトランクスの事で頭がいっぱいだった…。


「いいのよ。悟飯君、テントの準備とかたくさんしてくれたじゃない?それに悟飯君のパワーじゃお鍋も潰れちゃうわ。」

 ケラケラと笑いながらビーデルさんは言った。

「そ、そうですね…。」

 正しくその通りかも知れない。僕じゃ逆に邪魔になったかも。

 悟天はお母さんが大好きだから進んで手伝いをしてるから慣れてるけど、僕が悟天くらいの時はお父さんとピッコロさんと修行してたからな…。それに手伝いをする暇があったら勉強をしろと言われてたし…。

「それにしてもビーデルさん、ずいぶん料理が上手なんですね。コックがいるって言ってたから、料理なんてしないのかと思ってました。」
「あら?失礼ね。私だって料理くらいするわよ。まあ、あなた達のお母さんほどじゃないけど…。」

 ちょっとふて腐れ気味に言うビーデルさん。ヤバイ…怒らせちゃったかな?

「そうだよね!?おばさんの料理めちゃくちゃウマイもん!!」
「よねえ!?私も初めて食べた時はあんまり美味しいんでびっくりしちゃったわよ!!」

 嬉々として言ってるところを見るとそうでもない?

「おかあさんの料理は世界一だよ!!おとうさんも言ってたもん!!」
「ホント、悟天はパパとママが大好きだよな。」
「うん大好き!!」

 口のまわりにご飯粒とカレーをいっぱい付けた悟天が満面の笑みで言った。

 それに気付いたビーデルさんは悟天の口を拭いてくてた。

「今度おばさんにお料理教えて貰おうかしら?」
「パオズヤモリの丸焼きを教えてもらうといいよ!!」
「それは悟天が食べたいだけだろ?」
「えへへ。」

 和やかに食事の時間は進んでいる。僕の杞憂だったのかな?

 ここに入ってから今が一番平和だ。

 この時間が続く事を、僕は切に願った。


 end
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