雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄49


 明け方、寝不足のまま目が覚めた。

 というより寝ていない。と言った方が正しいだろう。

 ふと横を見ると弟とその親友、そしてクラスメートの彼女がスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている。

(なんだかなぁ…。)

 意識し過ぎて寝不足なのは自分だけのようだ。

 お腹を出して仰向けに寝てる悟天に、自分の枕でないと寝られないと言って自分の大きな枕を持ち込み、それを抱えて寝るトランクス、こちらに背中を向けて肩まで毛布を被り、規則的な呼吸をしているビーデルさん。

 悟天に毛布をかけてやり、深く嘆息する。

 昨日のような1日がもう1日続く。このまま平穏無事に済むとも思えない。

 逆に平穏無事に済んだ方が何か起こる前触れじゃないかって思えてしまうほど、僕は騒ぎというものに馴らされているのか?

 自分でもつくづく苦労症だと思う。今更だと言えば今更なのだが…。

 今日も悟天とトランクスが騒ぎを起こすんだろうか…?

(まぁそれくらいの騒動、子供の頃に比べたら…マシかな?)

 昔の僕ときたら、とても普通の子供とは違う生き方をしていた。
 5歳で宇宙にだって行ったし…。

 だからちょっとした騒動くらいなら怖くもなんともないのだが…。

 とは思うものの、これからこのチビ二人が起こす(かも知れない)騒動は、確かに僕が今まで遭遇してきたであろう騒動に比べるとマシかも知れない。
 でもこのチビ達が起こすであろう騒動は自分の最も苦手とするジャンルなのだ。(昨日の様子からでは…)

 幸せそうに眠るチビ二人に視線を移す。

(…頼むから…余計な事はしないでくれ…。)

 とりあえず今日一回目の溜息を吐いた。


 end
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