雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄52


 眠れなかった…。

 悟天君とトランクス君の向こうに悟飯君がいる。

 そう思うとなかなか寝つけなかった。

 一緒のテントでだなんて、自分でもなんであんな大胆な事が言えたんだろう…。

 今更ながらすっごい恥ずかしいんですけどっ!!

 背中いっぱいで意識する。毛布を被って目を瞑る。
 意識しないようにしようとしても、どうしてもしてしまう。


 まだ明け方だ。

 起きてしまおうかと思った。
 でも、起きるにはまだ早い。

 ここで起きてしまうと意識し過ぎて寝れなかったんだとバレるようで、何となくそれが癪に思えた。


(悟飯君は…寝れたのかな?)

 もしグッスリ…なんて事だったら…やっぱり何となく癪だ。

 私ばっかり意識し過ぎて、眠れずにいたなんて…。


 悟飯君達に背中を向けちゃってるもんだから、悟飯君がどういう状態なのかわからないけど…。

 でも…

 悟飯君も眠れずにいてくれたら…嬉しいなって思う…。

 そうしたら悟飯君も私と同じ気持ちかも…って思えるから…。
 

 でも…

 悟飯君が眠れずにいたとしても、それは悟天君が心配で…

 …って事も有り得るワケよね…。


 なんだかなぁ…。


 つい溜息が出る。

 これが片思いってヤツか…。


 彼の笑顔を思い浮かべると、妙に胸が締め付けられた。


 end
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