雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄59


「ふぁ〜おはよ〜トランクスくん。」

 悟天は欠伸をしながら毛布からモゾモゾと這い出てきた。

「…おはよ…。」

「あれ?トランクスくんどうしたの?目が腫れてるよ?」

 目を擦りながらのん気そうな声で言う悟天。もしかして夕べの事覚えてないのか?

「…悟天おまえ…夕べ超サイヤ人になったの、覚えてないの?」
「ゆうべ?ぼく、超サイヤ人になったの?」

 首を傾げながら言う悟天のまわりにはハテナマークがたくさん浮かんでいるのが見えるようだった。

「……。」

 あれだけ騒ぎを起こしたというのに覚えてないのか…?

「トランクスくん、夢見たんじゃないの?」
「へ?」

 ついには満面の笑みで言う悟天。

「夢じゃねえよっ!!」

 思わず大声を出した。

「トランクスくん、朝から元気だね。」

 またも満面の笑みで言う。

 …天然か…?ただの天然なのか…?

 呆然とするオレに悟天は言った。

「あれ?トランクスくんどっか痛いの?」
「痛くねえよっ!!」

 ああもう朝から何回叫んでんだよオレ…。

 当の悟天はキョトンとして、

「変なトランクスくん。」

 とのたまった。

 …変なのはおまえだよ悟天…。

「兄ちゃんとおねえちゃん、どこ行ったのかな?」

 悟天はキョロキョロと辺りを見回し、テントの外へ出て行った。

「…大変だよね…悟飯さん…。」

 残されたオレはただ呆然としていた。


 end
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