雨の日の唄
□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄60
「おねえちゃ〜ん、おはよーっ!!」
朝食の野菜を洗っていると、悟天君が駆けてきた。
「おはよう悟天君、よく眠れた?」
「うん!!」
それはそれは元気に答える悟天君。
そりゃそうでしょうね。超サイヤ人になってもすぐに寝ちゃったんだもん。
夕べの様子を思い出し苦笑する。
「ねえおねえちゃん。トランクスくん変なんだよ。ぼく、昨日の夜に超サイヤ人になっちゃったって言うんだよ。」
「へ?」
もしかして覚えてないの?
あんなに凄かったのに?
変だよねえ変だよねえ?と小首を傾げて言う悟天君に、私はまたも苦笑するしかなかった。
…それにしても…
「悟天君、早起きね?」
「そお?ぼくん家、いつもこれくらいだよ?」
時計を見るとまだ6時半にもなっていない。
確かに悟飯君の家から学校までの距離を考えると、この時間には起きていないと間に合わないかも知れない。
でも悟飯君の能力を考えると…どうなんだろう?
それよりも・・・
「毎日こんな時間に起きてるって、みんなも?」
「うん。ぼくん家、朝ご飯は絶対にみんな一緒だから。」
「そう…。」
じゃあおばさんて何時に起きてるのかしら…?
「悟天君、悟天君が起きる頃には朝ご飯はもう出来てるの?」
「うん、大体ぼくが一番起きるの遅いんだよ。いっつもご飯できたよっておとうさんか兄ちゃんに起こされるんだ。それで台所行くとね、もうご飯出来てるの。」
何でもないように小枝で地面に落書きをしながら言う悟天君。
「…へえ…。」
おばさん…本当に何時に起きてるの…?
私は孫家の実態を少し、ほんの少し垣間見て、自信を失くしそうになった。
end