雨の日の唄
□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄34
「ぼく、おねえちゃんと一緒に寝る!!」
「ご、悟天?」
悟天の大胆な宣言に、僕とトランクスは呆気にとられていた。
でも、当のビーデルさんはというと、
「ええ、一緒に寝ましょうね。」
と、ニッコリと微笑んだ。
「ご、悟天…兄ちゃんと一緒に寝よう。ビーデルさんに迷惑だよ。」
「ヤダ!!おねえちゃんと寝るの!!」
悟天はそう言ってビーデルさんの腕を掴んだ。
「いいのよ悟飯君。私もテントで一人じゃ心細いし。」
「でも…。」
ビーデルさんは女の子という事で、一応テントは二つ用意したのだが…。
「じゃあさ、みんなで一緒のテントで寝ればいいじゃん!!」
「トランクスッ!?何言ってんだっ!?」
すかさず口を出してきたトランクスの言葉に僕の心臓は跳ねた。
「だってさ、このテント、ファミリーサイズじゃん?4人くらい平気で寝れるって。」
「そうだけど…」
さすがに女の子と一つ屋根の下(ちょっと違うけど)はマズイんじゃないか?
「…そうよね。じゃあそうしましょ!!」
「ビーデルさんっ!?」
ビーデルさんの大胆な言葉に、僕の顔は真っ赤になっているに違いない。
「別にいじゃない。広いんだし、悟天君とも一緒に寝れるじゃない。それに私一人で寝て、何かあったらどうするのよ?暴漢とか。」
暴漢くらい、君一人で倒せると思うけど…ってそれ以上にここカプセルの中だから。
「そうだよっ!!おねえちゃんに何かあったらどうするの!?」
「悟飯さん、責任とれるの?」
半泣きの悟天と、ニヤニヤしたトランクスが横槍を入れる。
「…う…」
ビーデルさんには睨まれてるし…。
「…はい…わかりました…。」
もうそう言うしかなかった。
誰か僕の気持ちも察してよ…。
嬉しそうにはしゃぐ三人を尻目に、今日何度目かの溜息を吐いた。
end