雨の日の唄

□雨の日の唄31〜60
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雨の日の唄38


 僕の過去を話すという事は、僕はこの人に嫌われるという事かも知れない。

 でも、この人に嘘は吐きたくない。

「…私、聞くわ。悟飯君の事、何でも知りたいの。」

 ビーデルさんの真剣な目。その目に吸い込まれそうになる。

 それでも僕は、意を決して話す事にした。

 僕達は腰を下ろし、僕は口を開いた。

「…ビーデルさん…僕のお父さんがサイヤ人だっていう事、知ってますよね?ベジータさんもですけど。」
「ええ。悟飯君と悟天君とトランクス君はサイヤ人と地球人のハーフなのよね?」

「そうです…。それで…僕の場合はサイヤ人の血が濃かったのかも知れないんですけど…。」

 一呼吸入れた。

「…僕…尻尾を持って生まれてきたんです…。」

「…しっぽ…?」

 ビーデルさんは驚愕しているようだった。

「ええ尻尾です。お父さんにも昔あったようです。危険だから前の神様が切ったみたいですけど…。」
「危険?」

「…変身…するんです…。」
「変身って、超サイヤ人だったっけ?私達は金色の戦士って呼んでたけど。」

 セルゲームの時、テレビで放送されてたからそう呼ばれてたみたいだけど…。

「そうじゃなくって…もっと…違うものに…その変身するんです…。」
「…どういう風に?」
 ビーデルさんは真剣な顔を訊ねて来る。

 この真実を言えば、本当に嫌われてしまうかも知れない。

 でも・・・

「…その…」
「うん…」

「…大猿です。」

 ビーデルさんはその大きな目をさらに大きく見開いた。


 end
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