雨の日の唄
□雨の日の唄61〜90
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雨の日の唄61
何か怒ってた?
僕、何かマズイ事でも言ったのだろうか?
考えても考えてもわからない。
ただでさえこういう事は苦手だからなぁ……。
ひょっとしたら自分でもわからないうちにビーデルさんの事を怒らせるような事を言っちゃってるんだろうか?
でもそうだとすれば、何が原因か一生かかってもわからないよ……。
こういうところは限りなくお父さんに似てしまった……と思う……。
「悟飯さん、おはよー。」
トランクスが目を擦りながらやってきた。
「あ、おはようトランクス……」
トランクスの目の下にはクマ。
「悟飯さん……悟天っていつもああなの?」
「へ?」
するとトランクスは一つ大きな欠伸をした。
「夕べ超化したの、全然覚えてないんだって」
「あ……ああ……そうだね……」
僕は苦笑した。
悟天は超化した明くる朝はほとんどその事を覚えていない。
大体寝ぼけて超化してるんだから、覚えていなくても仕方がないんだけど、悟天の場合はちょっと酷いかな?って思う。
超化する原因がお父さんの気の高まりだから、正直覚えていない方が助かるんだけど……。
「悟飯さん……大変だね……」
トランクスは同情の目を向ける。
「は……ははは……」
渇いた笑いしか出ない。
トランクス……そう思うなら、今日一日大人しくしててくれよ……
僕は胸中で呟いた。
end