雨の日の唄

□雨の日の唄61〜90
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雨の日の唄62


 何だか重苦しい雰囲気の朝食。

 悟天はいつも通り(この際、夕べ超化した事を忘れている事は置いておく)だし、トランクスも悟天と一緒に「ねえちゃん美味しいよ!!」と言いながら朝食を採っているんだけど、その、ただ、ビーデルさんの僕に対する態度というか、ちょっと冷たいというか…。

 悟天やトランクスに対しては普通だから、明らかに僕、だけのようだ。

 
 僕は一体何をしてしまったんだろうか?

 
 ビーデルさんの作る料理は(多少のお世辞も含めてるがそれでも)本当に美味いのに、何だかこの空気に圧倒されて味もよくわからない。

 
 このギスギスした空気に気付いてないのは悟天だけのようだ。

 
 悟天は本当にいつものように無邪気なのに、トランクスは何やらチラチラとこちらを見ている。


(何か気付いてる…。)

 まだ子供のくせして、こういうところは妙に鋭いというか目聡い。

 明らかにブルマさんの血だな、と思う。

 絶対ベジータさんの血じゃないね。結構鈍感なんだよな、あの人。

 敏感なのはお父さんの事だけじゃないかな?

 お父さんがカプセルコーポレーションに来たらすぐに気付くし。

 僕や悟天やお母さんが来たって知らん振りなくせに、僕がお母さんの作ったお菓子を持ってると気付いて出てくる。悟天が持って行った時もそうだって言ってたから、よっぽどお母さんのお菓子が好きなんだな。

 ベジータさん、そういうところは妙に敏感だよな…。

 てなると、トランクスはやっぱり二人の子だよ…。


 妙なところで感心してしまう。


 でもこんなところ感心してもいいのか?


 知り合いの子供に二人の共通点というか、似たところを見つけると妙に嬉しいというか面白いんだよな。

 それがベジータさんとブルマさんだと。

 でも、トランクスの場合マセすぎなんだよな…。

 絶対アイツ、僕がビーデルさんの事好きだって気付いてるよ…。

 悟天とは1歳しか違わないのにすごい違いだよ…。まあ悟天はちょっと無邪気すぎるんだけど…そこはお父さんの子って感じなんだけど。

 
 とにかくトランクスには要警戒だ。


 …でも…ちょっとトランクスの力も借りたいかな?…なんて考える、情けない自分もいた…。


 end
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