novel

□Nonchalant happiness
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幸せってこういうことを言うのかな?

お母さんがいて、悟天がいて、

そして、お父さんがいて−。


お父さんが生きていた頃には当たり前だった事も、お父さんが死んでから、すごく重い、大事な事だったのだと気付いた。

それから悟天が生まれて、また一つ二つと当たり前の事は増えたけど、それでもどこか足りなかったこの家。


それが今日、思いがけず満たされた。


お父さんが帰ってきた−

お父さんが生き返った−

普通では有り得ない事だけど、こういうところがお父さんだ。


 悟空がこの家に帰ってきて、チチの作った夕食を勢いよくかき込む。
 7年前までは当たり前の光景。

「悟空さ、慌てなくてもたんまりあるだよ」

 チチはそう言って苦笑した。

「だってよ、7年振りなんだぞ、チチの飯。オラもの凄く楽しみにしてたんだぞ」

 口のまわりに米粒をいっぱい付けて、悟空は空の茶碗を差し出して言った。

「しょうがないだな」

 チチは苦笑しながらも、どこか嬉しそうな顔でご飯を山盛りについでいる。

 7年前には当たり前だった光景。

 悟天も悟空と同じ顔で同じように口のまわりに米粒をいっぱい付けて「おかわり!!」と茶碗を差し出した。

 そんなそっくりな親子にチチと悟飯は大笑いしてしまった。

 その様子にまたも同じ顔で同じようにキョトンとしている悟空と悟天。

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