novel

□赤い糸
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「……ふ〜ん。あ、悟飯が照れたんはビーデルって娘が『うんめいのあかいいと』で結ばれてる相手だからか?」

 ちゃんと思春期の長男が照れていた事をわかっていたらしい。

 止まっていた7年間であっても悟空は強くなる以外でも成長している。

「だべな。そうだといいべな」

 チチはビーデルが悟飯の嫁になればいいのにと思っていた。

 ビーデルがお金持ちのミスターサタンの娘だからと言う理由だけでなく、あの娘の性質をも気に入っていた。

 何だか昔の自分に似ているような所もあり……。

 それより何より悟飯があの娘に惹かれている。

 少し前までは本人も気付いていなかったであろうが、チチは女として、母親として、悟飯の微妙な心の変化に気付いていた。

 母親ならば息子の幸せを願わずにはいられない。

「チチはビーデルが悟飯の嫁になって欲しいんだよな?」

「そうだべ。悟空さは違うのか?」

「ん? そんな事はねえけど……まぁ悟飯が選んだ娘なら間違いねえんじゃねぇか」

 一端の父親の台詞だ。

 チチは目を細めて鏡越しに悟空を見た。

 悟空はダブルベッドに横たわり頭の下で腕を組んで天井を見上げている。

 チチが椅子から立ち上がりベッドに向かうと、悟空はチチのスペースをあけ、左腕を投げ出す。

 チチはその腕に頭を乗せると、悟空は右腕でチチの身体を包み込み、頭に顎を乗せる。

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