novel

□moon set
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月の光が、彼女の滑らかな素肌を照らす。

しなやかなその身体は、今にも壊れてしまいそうで、

この腕の中に閉じ込めておく事しか出来なかった。

この月が沈むまで、離したくはなかった。 



 
 セルゲームまであと数日になったある日、息子を神殿に預けて来た。

 ピッコロと融合した神様の代わりにナメック星から連れて来たまだ幼い新しい神は息子の友人で、二人で共に過ごせるように置いてきたのだった。

 それを告げた時、妻は抗議を口にしたが、それ程怒ってはいない事は長年連れ添っているのでわかる。

 家族で一緒にいたい気持ちがあったが、それよりも妻と二人っきりでいたいという気持ちが勝ってしまった。

 その素直な気持ちを口にした時の妻の顔が、戸惑ったような、それでいて照れたような顔になったのは見逃さなかった。


 ドラゴンボールを探す為に出て行った以外はずっと妻の傍にいた。

 片時も離れたくなかった。

 こうしてリビングのソファで寛いでいる時も妻の膝枕だ。

(相変わらず細ぇ腰だな)

 妻の細い腰を抱き締めて思う。

 妻は読んでいた雑誌を置き、超化し金色になった髪を撫でてきた。

 妻に髪を触って貰うのは好きだ。

 何故だかすごく落ち着く。
 
 妻は新婚の頃からやたら自分に触れてきた。


 腕を組んでこられたりしたら無性にこそばゆくて恥ずかしくて、すぐに離すように言っていたが、いつの間にか妻に触れられるのも触れるのも好きになっていた。
 

 ごくごく自然に、当たり前のように触れ合った。

 妻は自分のもので、自分は妻のもので、お互いに代わりなど無いのだと思うようになっていた。

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