novel

□The truth
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死んで生き返って、
その上宇宙人だったなんて、
アイツは何て言うだろう……。


 病院のベッドの上で、包帯でぐるぐる巻きにされた悟空は、傍らに座る自分の妻の事が気になって仕方がない。

 ここへ運ばれて来る前も運ばれてからも、ずっと傍にいるのに自分に何も言ってくれないのだから、さすがの悟空でも参った。

 麗らかな日差しが窓辺から差し込んできているのに、この病室は妙に重苦しい。

 妻の顔が見たいのに、身体が動かない以上にこの重苦しさが動かない身体を余計に締め付けているように感じて、妻に言葉をかけるのも躊躇われた。


「……悟空さ。おらに何か言う事ねえだか……?」

 最初に口を開いたのはチチだった。

 その声音はいつもより低くて、少し怒りも含まれていた。

「……え……?……いや、あの……」

 元々口が達者ではない悟空ではあったが、今回は何から話せばいいのか思案しかねた。

「……すまねえ……」

 いつもの癖でついつい謝ってしまった。

「今はそんな事はどうでもいいだ。言う事はねえだか? って聞いてるんだ」

 間髪入れず言うチチに思わず身体がビクッとなるのも癖みたいなものなのか。

 チチはふうっとため息を吐き、

「……おめえ、1年間も死んじまってて、不可抗力であったにせよ、悟飯ちゃんまで巻き込んで……」

 悟空が話しやすいように導いてやる。

「……悟飯を巻き込んじまった事は悪いって思ってる……」

「だな。それで?」

「……1年間も死んじまってて……オメエをほったらかしにしちまった事も……」
 ボソボソと呟くように言う。

「んだ。それから?」

「……そんで……オラ……地球人じゃねえって……」

「そうだか」

「そうだかってオメエ、オラ地球人じゃねえんだぞっ!? イチチッ!!」

 あっさりと言うチチに思わず勢いよく身体を起こそうとしてしまった。

「ホンットにバカだべ。悟空さは」

 痛がる悟空をベッドに寝かせる為に立ち上がったチチの顔は苦笑していた。

 その声色も先程の怒りを含んだものではなくて。

「……チチ……?」

「悟空さが宇宙人だろうが地底人だろうが今更だべ」

 チチは笑っていた。

「地底人てオメエ……」

「とにかく、悟空さが宇宙人でもおらには関係ねえべ。悟空さは悟空さだもん」

「チチ……イチッ!!」

 チチは悟空の鼻をつまんで言った。

「オメエ、どうせ宇宙人って言ったらおらが嫌がるとか逃げるかも知れねえとか、つまんねえ事考えてたんだべ?」

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