novel
□Lonely back
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ブルマはいつ来るともわからない待ち人を、ずっと同じ姿勢で待ち続ける。
何でこんなにも、彼が来る事を期待しているのだろう?
何故こんなにも、彼に会いたいのか。
これは恋人と別れたばかりの傷心からくる事ではない事はとっくに気付いていた。
(私は彼に惹かれている)
認めてはいけないとずっと思っていた事を、今認める。
きっとヤムチャもそれを感じていたのだろう。
ブルマ以上に、ヤムチャの方がその事に早くから気付いていたのだろう。
ヤムチャから別れを切り出したのは、ヤムチャの優しさだったのかも知れない。
ブルマはそう思うと、涙が一層溢れてきた。
「……ごめんね……」
「何がだ?」
つい呟いた言葉に反応する声があった。
咄嗟に顔を上げ、声のしたリビングの入口に顔を向ける。
「ベジータ……」
そこには重力室から出てきたばかりだろう、戦闘服をボロボロにしたベジータが立っていた。
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