novel
□I want to meet you.
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これが恋なのか何なのか、よくわからなかった
でも、
もう一度会いたい
そう思った。
自分でも何でそこへ向かおうと思ったのだろう?
だけど、無性にそこへ行きたくなった。
海に浮かぶ孤島。
以前、一度ここへ来た事がある。
ある男を殺す為、自分はここへ来た。
でも今度の目的は明らかに違う。
空の上からその孤島を見下ろす。
(……アイツ……いるかな?)
その孤島の砂浜に着地し、そこにある家の中を覗くと、一人の年寄りがテレビの中で踊っている女達を見て興奮していた。
すると、奥から一人の背丈の小さい男がお茶を盆の上に乗せて出てきた。
「武天老師様、いい加減にして下さいよ。」
(いた!!)
呆れ気味に言うその男は老人が見ているテレビを消した。
「何するんじゃクリリンッ!?」
その老人はあたふたと慌て始め、その男に叫んだ。
「もう……同じもの何回も見て……いい加減飽きましたよ……」
その男はテーブルにお茶を置き、深く溜息を吐いた。
「いいものは何度見てもいいんじゃっ!!」
その老人のおかしな理屈に、男はお茶を飲みながらまた溜息を吐く。
「……オレ……こんなに溜息ばっかり吐いてりゃ、幸せになれそうにないっすよ……」
男は呟く。
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