novel

□I want to meet you.
2ページ/4ページ


 自分はこの男に会いたかった。

 何故だか妙に、この男に会いたかったのだ。

「じゃあオレ、もう行きますからね」
「おお、行って来い。よろしく伝えてくれ」
「わかりました」

 男はどこかへ行くようだった。

 男が飛び出した所、見失わないように付いていく。

 
 途中男は町へ寄り、玩具屋へ入った。

(?)

 何でこのような所へ用があるのだろうか?

 男は大きな紙袋を持ち、その店から出てきた。

 そしてまたどこかへ向かう。

(一体どこへ行くんだ?)

 男に付いて飛んでいると、見た事のある山へ来た。

(ここは……)

 そして男はその山の中にある一軒の白いカプセルハウスの前に降りた。

(……この家……)

 その扉をノックすると、見知った少年が出てきた。

「いらっしゃい、クリリンさん!!」
「よう、悟飯」

 アイツの家だ!!

 以前この家に来た事がある。……アイツを殺しに……。

 男は少年に促され家の中に入る。

 その家の窓に近付き、中を窺った。

 そこで見たもの……それは……。

「悟天〜元気かぁ!?」

 あの男の妻に抱かれた赤ん坊。

 あの男に瓜二つな、いや、あの男そのものだと言えるほど似ていた赤ん坊の姿だった。

 思わず後退り、小枝を踏んだ。

「誰だっ!?」

 男はその音を聞き逃さなかった。無論あの男の息子である少年も。

 二人は自分のいる窓に向かって来る。自分はその場から動く事も出来なかった。

 男は思いっきり窓は開け放った。

 そして、

「じゅ……18……号……?」

 自分の名前を呼んだ。


.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ