novel

□この世の果て
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「…オラも…一緒にいく」

 それが一番だと思った。

 どうせ彼女がいなければ生きて行けないのだ。


「……バカな事言うでねえよ……」

 いつもは困ったように微笑むのに、今は悲しそうに顔を歪めた。


「……そんなの、許さねえだよ……」


 彼女の頬に涙が一筋流れた。



 彼女は知っている。

 自分が彼女を追おうとしている事を。

 いつも自分を待っていた彼女を、今度は自分が追う。

 いまだかつて無かった事。

 でもそれは、絶対に訪れて欲しくないその日の為に取っておいたのかも知れない。




 自分の勝手はわかっている。

 自分は二度死に、その度に彼女を悲しみのどん底に叩き落したのに、自分がそうなる事を恐れている。

 自分は臆病者なのだ。本当は誰よりも臆病者なのだ。

 
 強い相手が現れると喜び勇んで飛び出す自分は、本当は誰よりも独りになる事を恐れている。


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