駄文部屋

□True death−赤い糸−
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 チチが死んだ。

 これほど生きていることが辛いと思ったことがあっただろうか?

 多分、ない。

 今きっと、自分の身を切られるより、死より、何よりも辛い。

 チチは自分の全てだったと、今更のように思う。


 あの日、嫁に行ったはずのパンが自分を探して飛んできた。

『おじいちゃんっ、おばあちゃんが倒れたっ!!』

 背筋が凍った。

 自分の力がだんだん衰えて、もうほとんどしていなかった瞬間移動でチチの傍にいるだろう悟飯の元へ飛んだ。

 そして一番に目に入ったものは真っ青な顔で横たわっているチチだった。

『な……んで……』

 声にならない。一体何が起こったのか、理解できない。

『お父さん……お母さん、もう永くないんです……』

 声を震わせながらそう言う悟飯の言葉を、まるで夢の中で聞いているような感覚だった。

『いや…だ…』
『お父さん?』
『許さねえぞっ!! オラの傍からいなくなるなんてっ、ぜってーに許さねえぞっ!!』

 そう叫び、横たわるチチに縋り付いて泣いた。


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