keroro said.
□聖人化大作戦
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これでは身も心ももたないであります。
ケロロはフラフラと玄関を出たところだった。
爽快な青空の下、物憂げな表情でテント越しの人物に問いかける。
「ギロロー、なぁにやってんの?」
返答を待たずして、勝手に入り口を開けた。
後姿だが、胡坐をかいて武器の手入れをしているのが分かった。
それと同時にわざとらしい溜息を、ギロロがついた。
「なんか用か?」
「えへ、わかるぅ?」
間髪入れずに、ケロロが笑いながらすりよる。その妖しげな微笑に、ギロロは嫌な予感がしていた。
「ギロロ先生にお願いがあってさぁ〜」
「断るっ!!!」
「ゲローぉ!まだなんにも言ってないでしょー!」
秒殺されたお願い攻撃に多少凹みながら、それでもケロロは諦めない。
いまだこちらを向かないギロロの背中に、半ば独り言のように話しかける。
「もぉね、我輩、今すっげーぇヤバいんだよねぇ・・・」
そこまで言っておきながら、ケロロは言い淀んだ。
しばらく二人の間には銃器を磨く音だけが鳴り響いた。
「で?なんなんだ」
中途半端に聞かされ、気分が悪い。
ついに耐えられなくなったギロロが口を開く。
子供の頃から同じ事の繰り返しとは俺は成長しとらんのかー!と忌々しく思った。