tamama said.
□逃げ水、如何
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「最近タママはどうしたでありますか…」
その声はどこか暗い。
冬樹から連絡を受けてケロロは深い溜め息をついた。会議室に重い空気が漂う。
すると考えこんでいたドロロが呟いた。
「昨日の稽古をシゴキすぎでござったかな。」
その言葉にケロロは顔をしかめた。
「は?どういう事?」
少し冷たい口調でケロロは尋ねる。
そんな事にお構いなく、ドロロは淡々と説明した。
どうやら最近、タママに頼まれ稽古をつけていたらしい。
だがその言葉を聞いても、ケロロは一瞬無表情に変えただけでしかめっ面をしたままだった。
「隊長、最近苛つき過ぎじゃねぇ?」
クルルがからかったが、いつもなら反応するはずのケロロは何故か反応しなかった。
「そうだぞ、ケロロ。そんなにタママの事が心配なら会いに行ってやればいいだろう」
「…とっくに行ったでありますよ。何度もさぁ。なのに門前払いって、あり得ないっしょ?」
憤慨してケロロは拳を握った。