tamama said.
□果てない午睡
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「未来予想図V銃士(時ヲカケル他人ノフンドシガン)?」
桃華は不思議そうな顔をしてタママを見た。
二人だけにしてはやけに広すぎる部屋での会話は弾む。お菓子をつつきながら恋バナに花を咲かしていた。
「でね、モモッチにお願いがあるですぅ!!!」
一区切りついた所で、おもむろにタママが取り出したのは見慣れない銃だった。
その銃のネーミングは外観に負けず、ヘンテコだった。異星人の考える事は分からない。
「そうですぅ。クルル先輩に頼んで作って貰ったですぅ」
意気揚々と語るタママを尻目に興味深い様子で桃華はそのド派手な銃をしげしげと観察する。
「これを使えば一番高い確率で訪れる未来を覗き見できるらしいですぅ。的中率は99.999%らしいですけど…」
そこで言葉をくぎると意味ありげにちらりと桃華を見る。何かを企んでいる目だった。おねだり上手なタママが時々羨ましくなる。
「ただ第三者しか見ることが出来ないみたいなんですぅ」
なるほど。いきなり必死な容貌で頼みがあるといってきたのはそういう事ね…裏桃華はニヤッと笑った。
これさえあれば冬樹君との未来も分かるのだ。
「ヨッシャ、タマ公!オレがお前らの分を見てやるから、お前はオレの見ろや」
「わーい!ヤッタァー!さすがモモッチ。話が判るペコポン人ですぅ!」
顔を見合わせると示し合わせたように、ハイタッチした。見事なまでに息がぴったりである。星は違えど、恋する乙女に違いはなかった。
こうして互いの利益の為に二人は協力する事になったのだった。