keroro said.
□聖人化大作戦
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やっぱりネットで探してみるか。
ケロロは渋々自室に戻った。
「あ。」
隅の方で猫背になりながら、こちらに背を向けている黄色い野郎。
派手な色なので直ぐに目に付く。
ふいに後ろを向いた。
ニヤリと不敵な笑みを浮かべると、クルルは手にしている宇宙DSをちらつかせた。
「よぅ、隊長。林屋ペーパーピクトチャットしようぜぇ〜」
「・・・まだ、昼間っからでありますか?!」
林屋ペーパーピクトチャットとは、どピンクなアダルトチャットの通り名の事だ。
いつもなら暗黒ピクトチャットなのに、このタイミングで林屋を薦めてくるとは怪しい。
絶対コイツ、何か知ってんな。
そう思いながらもケロロは無言でマイDSを取り出した。
画面にすぐさまタママの絵が映された。
絵心があるのか、かなりリアルなタママにケロロは思わず興奮する。
それもそのはず。
涙目で顔を赤らめ・・・かなり可愛い。
しかも(ぐんそーさぁん、いやぁ〜ああん)
と書かれている。
ブー!!!と勢いよく唾を飛ばした。
DSが唾まみれである。
画面のタママが目をぎゅっと閉じて口許に手を当てている。
(そんなに鼻血だしたらぁ・・・あっ・・・僕、軍曹さんの汁とぉ・・・鼻血まみれですぅ・・・)
「ちょ!クルル!!!」
確かに右の鼻から鼻水が垂れてきたと思ったら、それは赤かった。
やべ・・・規模は小さいがこれではギロロと同じじゃん。シュミレーションでコレだと実際に言われたら、どうなっちまうんでありますか我輩は。
本番で鼻血とか、恥ずかしすぎるでありますよ!
クルルは尚も攻撃の手を緩めず、新たなタママを寄越してきた。
(もぉ、軍曹さんたらぁ・・・もうこんなに大きくしちゃってるですぅ・・・)
タママの声でしゃべった???
「何コレ!タママの声じゃん!」
「クーックック。俺様の改造でよりリアルにしてやったぜぇ。一人の夜もこれで安心だな、隊長。おっと〜もう48手制覇してんだろうけどなぁ」
「我輩がタママに手を出せないの知ってて、わざとやってんでしょ!」
ケロロは股の部分を必死で押さえ、クルルを罵倒する。
「はぁん?まだ食ってないんすか」
クルルは呆れてケロロを見た。
「リミッター、外しちまえよ。我慢は体に毒だぜぇ」
(そうですよぉ、早く僕をた・べ・て♪)
「だぁーーー!それはもう止めぃ!そりゃあ・・・まぁね、我輩も男だし。でもさ、大事なんでありますよ。どうでもいい娘(こ)ならさぁ、とっとと手ぇつけてるでありますよ。」
ケロロは頬をかきながら、居心地悪く視線を彷徨わせた。照れ隠しに苦笑している。
「珍しく真剣なんすね」
「・・・人を女ったらしみたいに言わないでくれる?我輩、モテないのにぃ」
(あの女にデレデレしてるくせにぃ、タママインパクト!!!)
DSから閃光があがり、ケロロに直撃した。
ケロロは咳払いし、起き上がった。
「・・・これも改造の成果?」
「リアル、だろ?」
クルルはさも面白そうに笑った。
「まぁ、そんなうらめしゆうすけな顔すんなって。この前、面白い性欲抑制法が学会で発表されてたんで、やってみるかい?」
大丈夫なのだろうか、一抹の不安がよぎるが泣き言をいっても拉致があかない。
かしこまって、ケロロは座りなおした。