keroro said.
□聖人化大作戦
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おまけ
なんとか解散させる事ができ、
ケロロは一安心した。
しかし、肝心のところはいまだ元気溌剌な状態でどうにもその場を離れることが出来なかった。
そんな様子に構う事無く、各自が散り散りになる中、タママとケロロだけが部屋に残った。
いつもはすぐさま軍曹ルームに帰るくせに
今日に限って居残りしている。
根強い欲情が燻っているのに、二人きりはヤバイ。
自分の部屋なら誰かがすぐに入ってくるが、
ここは皆、滅多に寄り付かないから・・・いろんな事ができてしまう。
文字通り、いろんな事が。
「我輩、ここ片付けるからタママは先に我輩の部屋行ってて。」
甘い誘惑を振り切るために、
ケロロはタママを遠ざけようとした。
だが、思惑に反してタママはケロロに近寄ってきた。
後づさりしたいが、ケロロは生憎席を立つことができなかった。
「僕もお手伝いするですぅ」
従順なタママ。ケロロはいつもこうだといいのにと思いながらも今だけはどっかに行ってほしくてならなかった。
精一杯の小さな声で呟く。
「本当、いいから。でないと・・・」
でないと、我輩・・・自制がぁあああ!
「え?」
タママが聞き返したが、時既に遅し。
タママはケロロの腕の中にすっぽりと納まっていた。
タママの体からはほんのりバラの香りがした。
ケロロは甘い欲望に勝てなかったのだ。
「ぐ、ぐんそうさん!」
戸惑うタママの声は、しかしケロロによってかき消された。
情熱的な口付けに陶酔し、ケロロは官能的な気分になった。
よもや先ほどまでの苦労は水の泡と化していた。
大胆になったケロロは更にかき抱いた。
その途端、タママは下腹部に硬いものを感じた。
それが何かに気付くと、ありったけの力でケロロを押し戻した。
「・・・ぐんそうさんのえっち!」
そう言うとタママは駆け足で逃げていった。
その一言がショックだったのだろう。
茫然とするケロロのそこは、しょんぼりと頭を垂れていた。
どうやら一番効いたのは、タママの拒絶だったようだ。
ケロロが部屋に帰ると、意外な事にタママがいた。
タママは少し怒った顔して、横っ面を見せていた。
二人とも無言で顔を赤らめている。
「・・・言いすぎちゃって、ごめんなさい」
タママは表情とはちぐはぐに、小さく謝った。
「我輩こそ・・・あ、でも生理現象だから許して。
たっ・・・タママが可愛いからつい」
言っておいて恥ずかしくなったケロロは更に赤らめた。
負けじとタママも赤くなる。
「だ、だって・・・」
「好きじゃなかったら苦労なんてしないでありますよ」
あんなに頑張ってたのをタママ知らないから。
ケロロはちょっぴり拗ねて、背を向けた。
タママはどうしていいのか分からなくなった。
「怒ってるですぅ?」
ケロロに近づき、顔を覗きこんだ。
「・・・怒ってないであります」
「でも、怒ってるですぅ・・・」
寂しそうに言うと、タママは突然
緑色の体を後ろから抱きしめた。
「え?」
「仲直りのちゅぅ・・・」
ほっぺに軽くキスされただけで、また煩悩がぁ!!!
無防備なんだか無垢なのか、
男心を理解しようとしないタママに
”ケロロの明日はどっちだ!”と
ケロロは心の中で叫んでいた。