SSその2

□ぬくもり
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俺、一体どうなってんの???

真冬だというのに全身から汗が噴き出していた。自分でもよく分からないまま早足で玄関に向かった。

「やばい、やばい、やばい!マジでやばい。
我輩、欲情しちゃってる?
そんなバカな!?あ?」

気が付けば独り言を言いながらギロロのテントの前にいた。
いつもバカやったり、ふざけたりしている時に絡む事なんてしょっちゅうあるのに何でベッドの上で抱きつかれただけで固まってんのよ、我輩のバカチン。
その上、すぐに振りほどけない位、……き、気持ちよかった……。

ひぃーーー!!!ないよ、絶対ない!
あれはああ見えて男、男なのであります!
我輩にそのけは無いであります!

なのに何、タママのあの可愛さ。
つーか可愛さとか言ってる時点で変な証拠だってば!

落ち着け、自分。
そんなわけないであります。
あれは、事故。
そう、事故よ?
寝返りを打った時に唇に触れただけで。

「ギロロ、いる?」

返事が返ってこないので、勝手に中に入った。
テントの中には寝袋が一つ転がっていた。
いい具合の寒さだから頭が冷えて丁度いいかもしれない。
今夜はここで寝よう。
うん。寝て、忘れよう。

気の迷い、気の迷い。
俺…最近、たまってんのかな…

瞼を瞑って寝ようと試みるも悲しい程にギンギンに目が冴えた。
脳裏にいやがおうにも感触が甦ってきて、同時にタママの匂いまでリアルに感じてしまう。
変な汗がすっごい出てくる。
羊が一匹、羊が二匹、タママが三人おわーぁ!ハーレム。って、眠れない。

我輩は寝袋に包まったまま、左右に転がり苦悩の一夜を過ごす羽目になってしまった。
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