鱗詞

□鱗の国
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ピクニック

お弁当を作って、コロッケなんか詰めて
あの線のところまで ピクニックに行こうか

黒くて大きな 途方もなくさりげない向こう側を覗きに行くのだ
絡むこの小さな あおいこちら側から せせら笑ってやる その大きな大きな

或いは只の点なのかもしれない
無数に散らばる さりげない点

途方もない

ふとした瞬間に そっと鉢合わせてしまうのか 自ら望んで 呑み込むのか

呑み込まれるのか

何にしろ 気付かないような
知らん顔で

点などまるで何もなかったような

それで私は お弁当を作って 向こう側をせせら笑う為に
ピクニックに行くのだ

何も気付かないふりなど
そんな

途方もないのに
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