たとえば、彼女との間に起こるすべてのこと

□はじめてきみとであう
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第一話
はじめてきみとであう








その日、雨が降っていた

風も強くて、傘なんて意味をなさない

もう日も暮れて、あたりの気温はどんどん下がる

それでも生計を立てるためにやっているバイトは休みになるわけもなく、紗菜は憂鬱な気分な中、ずぶぬれになりながら帰路を歩んでいた


紗菜は一人暮らしでアパートに住んでいる

そのアパート近くの公園から雨の音に紛れて何やら声が聞こえてきた

紗菜は濡れて冷え切ったその身を一度震わせ、その声のするほうへ足を進めた

おそるおそる、ゆっくり近づいてみる

紗菜が近づくと声は止んだ


そのこにはダンボール


書かれている文字は雨で滲んで読みずらくなってはいるが、辛うじて読みとれる


【ひろってください】


そんな言葉が目に入った。

中を覗きこめば二つの顔が眉間に皺を寄せてこちらを見ている


黒髪のねこみみが生えたそれは銀髪のねこみみを抱きかかえるようにしている


「なに、なんか用?」


黒い方が口を開いた


『えと、寒くないの?』


問いかけられたので紗菜も戸惑いながら口を開く


「寒くないわけないだろ」


外の気温にも負けないほど冷たい言葉が返ってきた


『家、すぐそこなんだけどくるかい?』


紗菜は彼らに怖がられないようにかがんで、彼らと同じ目線に合わせる


「そんな同情、いらない」


『でも、そこにいたら風邪ひいちゃうでしょ?あれ、きみたちって風邪ひくのかな?私ペット飼ったことないからわからないや』


そういって、紗菜はあははと声にだして笑った。


「・・・・・・」


そんな彼女に黒と銀は無言のまま


『とーにーかーく、家おいで』


そう言って紗菜は2人を抱き上げた

黒の方は50cmくらいで銀の方は30pくらい、箱の中に入っていたため大きさは分かりずらく意外な大きさに紗菜は頑張って2人を抱き上げる


「まだ一緒にいくって言ってないだろ!!」


初めて声を発した銀色の猫

紗菜の腕の中で暴れ出す


『暴れないのー、落っことしちゃう!!以外に重いのね・・・』


「放せって!」


『痛っ』


「あ・・・」


銀色の猫が暴れてつい紗菜の腕を引っ掻いてしまった


『だ、大丈夫だよ!さあおうちはいろうか』


急に大人しくなって、少しは反省してるのであろうか、心配しているのであろうかは分からないが、紗菜は取りあえずそう声をかけて、アパートの階段を駆け上がり、自分の部屋のドアを開け2人をそのままお風呂場に連れて行った







To be continued
 

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