のんびり小説

□プリプリの写真
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ブゥ戦後、平和を取り戻した地球。

悟空に勝つ事を目標にひたすら鍛錬を重ねてきたベジータは、あれ以来、追い掛ける事を止め、今度は自分の限界を知る為の鍛錬を続けていた。

ある晴れた日、いつもの修行の場である北の地からC.Cに戻ってくると、よく知った気を感じた。

『カカロットの野郎、来てやがるな…』

自室の窓から入り、リビングへ向かうと、声が聞こえて来た。

「頼むよ〜」
「なんでそんな事あたしに頼むのよっ」
「だって約束しちまったもんよぉ〜」

ベジータがリビングに足を踏み入れると、顔の前で両手を合わせてペコペコしている悟空と、腕を組んでそっぽをむいているブルマがいた。

「あら、おかえり」
ブルマがベジータに気付いて声を掛ける。
「っいッッ!?」
悟空は慌てた様子でベジータの顔を見、「じゃ、またくっから…」と指を頭に当て一瞬でかき消えた。

「なんだアイツは…」
オレが来てる事位、気でわかるはずなのに、余程会話に夢中だったって事か?
…なんとなく面白くないベジータはブルマに問う。
「一体なんの用だ?」
「なんか…写真をくれって。誰かにあげるからって。」

「…写真?」
と口にして、ハッと気付いた。
『そういえばあの界王神とか言う奴に、ブルマの写真をやるとか言ってやがったな!』

「おっ、お前のか!?」
急に慌てた様子の夫に首を傾げるブルマ。
「そぅ。前にも来てたんだけどね、写真を撮らせてくれって。」

アイツ、本気で!?
「そっそれで、まさかオマエ…」
顔を赤青させるベジータを不思議に思いつつ、ブルマは首を振って見せた。
「前は重力室の修理途中で、汚れてたし手が離せないしで断ったのよ。そしたら今日来て、撮るのがダメなら写真くれって。孫君がそんな事言うのって変じゃない?だから問いただしたら、誰だかにあげるって言うから、そんな知らない人にあげるのなんてイヤよって言ったのよ。…ってベジータ?」

ベジータは、わなわなと震えて超化寸前だった。
そのまま
「絶対に拒否しろっっっっ」
と、ものすごい形相で両肩を掴まれた。

「な、なんなのよ…アンタ知ってるの?」
「〜〜知るかっ!」
ベジータは真っ赤になって怒りながら部屋を出て行った。
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