のんびり小説
□新人研修
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ナメック星が消滅してから数日間の事。
ブルマは超多忙を極めていた。
行き場のない全員を引き受けて連れて来たはいいが、みんながみんな宇宙人。
地球の物の使い方や基礎的な事を教えて回っていた。
ナメック星の人達は、温厚だし生活形態も地球と変わらないらしく、C.Cの中庭でのんびり暮らしていた。
問題は…
ヒューマンタイプで一見地球人と変わらないが、元殺戮王のサイヤ人、ベジータだった。
「アンタの部屋は4階よ。階移動はこのエレベーターを使って。あ、エレベーターってわかる?」
なんせ、分からない事が何か解らない…。
エレベーターに乗ってる最中、ベジータの視線に気付く。
「あ!あの恐竜は食べちゃダメよ!っていうか、出された物しか食べちゃダメ!食事はちゃんと用意するから。」
中庭にはブルマの両親が拾ってきた、様々な動物がいた。
悟空が恐竜を食べてたのを思い出して一言忠告しておいた。
案の定、チッと舌打ちをするベジータに『やっぱり』と思いながらもう一言伝える。
「アレはペットなの。ペット。分かる?愛玩動物よ。」
「先に共有スペースを教えとくわ。ここがダイニングとリビング。食事をしたり寛ぐ所よ。こっちがキッチン。コレは冷蔵庫…食材が入ってるわ。」
ベジータは無言だったが、ブルマは構わず続ける。
「こっちがバス。各部屋にも付いてるけどね、とりあえずシャワー浴びなさいよ。」
着替え用意しとくわ。と言いかけるも
「必要ない。」
と出て行こうとするベジータ。
「アンタねぇ。シャワー位しなさいよ。汚い格好で食事なんてさせないわよ。」
ブルマはピシャリと言ってバスルームを後にした。
出て来る気配はない。大人しくお風呂に入る事にしたのだろう。
「アイツの服、買わなきゃね。とりあえず…ヤムチャのでいいか〜」
と、ラフなジャージとタンクトップを用意した。
バスルームに戻って、ベジータの脱いだ服を手に持った。
「いつから着てたのか知らないけど、ボロボロじゃない。」
洗濯機に入れようとしてふと気付く。
「なんか変わった素材。すごい伸びるし」
科学者としての興味がフツフツと湧いてくる。
「宇宙船といい、この素材といい、サイヤ人ってのは進んでるのねぇ」
「オイ」
まじまじと見ていると中から声がかかった。どうやら出て来るらしい。