SSベジブル
□An Ideal Husband
〜理想の夫〜
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チチ達が帰った後、ブルマはペットボトルを持って重力室へ向かった。
飲み物の中身は栄養ドリンク。
普段なら水を用意するが、今日は黄色の液体を入れなければならない。バレないように同じ色の物を用意した。
「あらベジータ!ちょうど良かった。新しい栄養ドリンク飲んでみる?」
『ちょっと無理があったかな…』
ベジータの鋭い視線に不安を覚えつつ、手渡した。
「…フン」
ベジータは受け取ると手の中で潰す。
「あぁっ!」
最近ソワソワしていたブルマに対して、警戒態勢にいたベジータは、ブルマから渡される物を疑ってかかっていた。
以前にも一服盛られた事がある…。
命に関わるものではないにせよ、気分の良いものではない。
「…何度も同じ手を食うか。」
一瞥し、去っていくベジータにガックリと肩を落とすブルマ。
『くっそ〜!なんか考えてやる』
ブルマは早速ラボに向かった。
翌日、ベジータが朝食を取っていると、ブルマが遅れて現れた。
「おはよ〜」
目をこすりながらキッチンへ向かう。
食事を終えたベジータがダイニングを出ようとすると、ブルマが後ろから声をかける。
「あ。ベジータ。イチゴ食べる?」
カゴ一杯のイチゴの中から、一際大きいイチゴを取ると口に入れた。
途端、ベジータの表情が一変する。
「貴様!」
苦しそうに膝をつく。
「オホホホホ!」
ブルマはベジータの前に仁王立ちになると、高笑いをして苦しそうな夫を見下した。
「油断したわねベジータ!」
「貴様っ…何を企んでやがる!」
苦しむベジータに至極嬉しそうなブルマ。
「ついに勝ったわ!」とまで口走る。
「大丈夫よ。命に別状はないから。ちょっと孫君みたいになって貰おうと思ってね!」
「…カカロットみたいにだとっ!?」
ベジータはまだ苦しそうだ。
「そうよ!ホントはクリリンみたいに尽くして貰いたかったんだけどね!それはチチさんが選んじゃったから、とりあえず全データ欲しいし。アンタには孫君みたいに"優しく"なって貰うわ!」
「…ほぉ?」
ベジータは言うと、オーッホッホと高笑いを続けるブルマの足首を掴む。
「へっ!?」