SSベジブル

□ラブラブ
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ブラが御飯達に質問を終えた頃、何やら騒がしく揉み合いながらベジータとブルマが入って来た。


「だから断ると言ってるだろう!!」

「いいじゃない!別に毎回って言ってるわけじゃないんだから!!」

…またケンカしてる…
殺気立って揉み合う両親にブラが近付く。

「パパ…」
「うるさいっっ!!」

怒っちゃダメ、そう言おうとしたブラにベジータの怒声が飛んだ。

「あっ…」

揉み合いの延長上で怒鳴ってしまった相手に気付いてハッとなるベジータ。

ブラは瞳に涙を一杯溜めていた。

「ブ、ブラ…」
お前に言うつもりじゃなかった、と言いかけた瞬間、ブラの瞳から涙が零れ大声が響いた。

「うわぁぁぁぁん!!」

ブラの声は大きい。
サイヤ人の血のせいだろうか、空気がビリビリと震えた。

「あ〜ぁ。何とかしなさいよ。」

ブルマが耳を塞いで言う。

「なんだってオレが!」
「アンタが怒鳴ったからじゃない。」
「なに!?だいたい元々はお前が…」

2人の言い争いに、ブラの声は更に大きくなる。

「ブラ!やかましい!泣くな!」

ブラは一向に泣き止まない。

「怒鳴って、わ、悪かった。」

ベジータの謝罪にも泣き声は止まず。

「ケンカしちゃだめ〜〜!!」

どうやらブラの泣いている理由は別の所にあるようだ。

「ブ、ブラ、泣くな。大丈夫だ。俺達は…その…」

ベジータの言葉にブラの泣き声が止む。
ブルマ達も恐る恐る耳から手を離し、なだめようとする父の言葉を待った。


「パ、パパと…ママは…ラ、ラブラブだ。」


胸を張って言うベジータの言葉に一同が静かになる。


「…ホントに?」

「あ、あぁ。」


ブラの顔がパァッと華やぎ、良かった!とベジータに抱き付く。

ベジータはホッとした様子でブラの頭に手を置いた。


「アンタ、それ、意味分かって言ってんの?」

ブルマの呆気に取られた声に振り返る。

「?…仲が良い、と言う事だろう?」

ベジータにとったらそれだけでも口にしたくない程だ。

「……違うわよ…愛し合ってる、って事よ。ものすご〜く。」

ブルマの言葉にベジータの顔がみるみる赤くなっていく。

『そ、そんな…』

言葉は声にならない。

ブルマはケラケラ笑って言った。

「やだ〜ベジータも言うようになったわね〜!ねぇ、御飯君?」

ブルマの視線の先には顔を赤くした御飯とビーデルの姿があった。


「な…な…!!」



「いつまでも仲が良くて羨ましいです…」


照れながら言うビーデルの言葉に、ベジータはめまいを覚えた…




―おわり―
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