SSベジブル

□烏龍秘密日記
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烏龍がどうしようか悩んでいると、ブルマの声が聞こえた。


「もぅ。びっくりするじゃない。」

侵入者は何も答えなかったが、どうやら知り合いのようだ。

息を潜める烏龍。


「…ヤダ…ねぇちょっと…」


布を擦るような音と、ブルマの小さい声が聞こえる。


「…ぁっ…や…」

耳を澄ませると聞こえてくる女の声。

『おいおい!男かよ!?』

こんな場面めったに出会えるもんじゃねぇ、となんとか部屋の様子を伺おうとするが、見えるのは床ばかり。
飛び上がって上の通気口から見るのはリスクがある。


ブルマの上げる甘い声に興奮気味の烏龍に、低い、男の声が聞こえる。


「…うるさい。」


その声に一瞬固まる。
聞いた事がある。
まさか…

聞こえてくるブルマの声。


「…やぁっ…ベジータっ…」


烏龍はハッと息を飲み、興奮状態の体中の血が一気に冷めるのを感じた。

『まさか!嘘だろ!』

頭が混乱して周りの音が聞こえなくなる。

『やべぇよ!アイツ…まさかブルマまで…』

衣食住や重力室を提供してもらうだけでなく…
でもあの男は侵略者だ。
仲間も殺した…


パニック状態の烏龍の目前の扉が激しく音を立てて揺れる。

「ヤだっ…イタ…」

扉がガタガタと揺れる。

おそらく、彼の与える律動に合わせて…

こうなれば、ブルマの発する甘い声も、断末魔の叫びのように聞こえ出し、烏龍は耳を押さえて震える。


「…ね…やぁ…こんなトコっ…」


通気口から見える床にブルマの手が見える。
キレイに塗られた赤のマニキュアも、さながら血の色だ。


「聞かせてやれよ。中の奴に。」


ふさいでいる耳の隙間からやけにはっきり聞こえるベジータの声。



『!!気付かれてる!?』


烏龍は泡を吹いて気を失った。




それから間もなく、烏龍はカプセルコーポレーションを出た。


喋ったら殺される。

いや、喋らなくても殺されるかも。



これは俺の中だけの秘密…
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