ささげもの

□それさえも叶わぬ夢?
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「ちょっとそこのお前!
早くもってこい!」
「あっハイ!ただいま!」
私は給仕。
お殿様の料理を運ぶ係だ。
雑用が多く体力的にも厳しいけれど
ただ一瞬お顔が見れることが嬉しくて
5年前からこの仕事をしている。
この国のお殿様は
農民にも優しく
凶作になれば
城の食料を惜しげもなく分け与える、
優しい格好いいお殿様だ。
食事の最中ふ、と笑うその顔が
見れただけで死んでしまいそうになる。
・・・叶わない恋だけど、
見ていられるだけ幸せだった。
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