Title 幼

□止まぬ笑顔は天使のよう
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俺が世話しているこいつ

改めこの世話の焼けるガキは



今日も厄介事を持ち帰って来やがった。







今年の初雪が降った今日


「雪積もってるよあぶとー、俺遊びに行ってくるね。」


朝から俺の部屋に来て、こう宣言した。
別に俺には何の不自由もねぇから

「おう。」

と答えた


まさかその言葉を
後悔することになるとは思わなかった。

その時は…






よく考えれりゃよかったんだ。

よく考えりゃあのクソガキが
何も無しに帰ってくるわけがねぇんだよ…



今までだって
いきなり居なくなったと思ったら
何十人かボコボコにして帰ってきたり
何人か殺して帰ってきたり…



まだ俺の腰ぐらいしか背丈のねぇガキの所為で
この俺の時間が無駄になるのは
毎回、勘に触るが…仕様が無い。

ほら、俺様大人だし。




「あぶと、ただいまー」


……雪遊びに行ったんじゃないのか?



帰って来たガキは頭から赤をかぶり
いつもの笑顔で立っていた

「なんで雪遊びでんな返り血浴びてんだよ」


呆れて俺が聞くと
あのクソガキは


「だってねあぶと。真っ白が赤くなるのってすっごく綺麗なんだよ」






止まぬ笑顔は天使のよう




あくまで笑顔だけの話だ。







おわり。

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