銀魂妄想庫

□and then.He become the wind. -そして 彼は風になった-
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―どこまでも続く、キレイな青空が嫌い。届かなくて、広すぎて、大きすぎて、あなたが傍にいないことを思い知らされるから。

それでも優しい風が吹けば思い出すのはあなたとの約束。風は変わらず私の傍で吹いていた。








  and then.. He become the wind.
―そして 彼は風になった―









「お前に頼みたいことがあるんでさァ」

いつもの調子で
いつもの口調で
いつものように
偶然出会って、ケンカをしていた私達。


そのケンカの最中に
いきなり黙り込み、それから私の方を見て言ったあなた。






「…?…お前からの頼みごとなんて…珍しいアルな。」



なんでもないみたいな
ふだん通りの表情でいるから
そんなに重要だなんて思いもしないで

「いいアルよ。…この神楽様が叶えてやろう!!」

軽い気持ちでそう言った。




でも、総悟は、緊張した様子を振り払うかのように息を吐き
一瞬、顔をくもらせた後…悲しい笑顔のまま静かに口を開いた。







「俺と約束して欲しいんでさァ。」





「一生涯の…約束を。」




いきなり言われて、意味がわからないと混乱していると
総悟はにこりと笑って


「難しく考えなくていいんですぜ」


と優しい声で言った。


そして、ふいに空を見上げた。
神楽もつられて見上げる。




雲1つない、青空が広がっていた。
しばらく2人は黙って風にふかれながら空を見上げていた。


「………チャイナ。俺はな…………空が…空が好きなんでさァ」





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