銀魂妄想庫
□苦しい恋を、報われない想いをT
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放課後。
グラウンドではサッカー部とか野球部の声が響いていた。
空はさっきまでの青空とは打って変わって、雲までもがオレンジ色に染まっている。
教室にもオレンジ色が広がり、
目の前に座っている神楽は光を浴びて、
なんだかいつもと違って目が離れなくてみとれていた。
そんな俺に気がついた神楽は
「さぼってないで、はやく書くアル!」
とえらそうに上からモノを言う態度で注意してきた。
えらそうにしているがコイツ、本日の日直の仕事を適当な理由で全部俺に押し付けた。
最後の仕事、日誌書きも当然とのように、手伝う気ゼロ。
何度か文句を言おうとしたが、
諦めて黙々と仕事をやっていた。
ある意味、惚れた弱みってのは面倒なものだなぁ…と心底そう思った。
こんな我が儘女王様でも、いいとこを知っていて、そこを好きになるとなんでも許してしまうようだ。
わかってても、嫌いになれない。
ほんと、なんでこんな奴好きになったんだろう?
そんな事を頭の中でぐるぐると考えこんでいたせいか、手が止まっていたようで、またお叱りの声。
でも、怒る間は読んでいる小説から目を離して、
俺の目を真っ直ぐ見ている。 話すときは必ず相手の目を見て話す。そういうとこも好きになったんだっけ。
でも好きな相手に見つめられるのがどんだけ耐え難いものなのか…
きっと分からないだろうな。
目をそらせば目見ろ!!って怒られるしね。ほんとやるせない。
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