×
□Welcome to the Halloween party!
1ページ/3ページ
カランコロンカラン!
盛大なベルの音が響く。
そして、それに続く、声。
「Happy Halloween!」
今宵は、ハロウィーン。
「ラミル、忘れ物はありませんか?」
「大丈夫だわさ!行こう!ラーク」
ラミルのかけた魔法によって小さくなっているラークの手をひいて、二人は人間界へと通じる門の前へ。
「ウフフ・・・綺麗な瞳、沢山あるかしらv」
「・・・お菓子、楽しみですね」
「楽しみだな!ジャック」
「おぅ!お菓子くれなきゃ悪戯するぜぇ〜☆」
約一名、ハロウィーンの趣旨から外れたものがいたが、どうやら皆楽しみにしているらしい。
門の前には、他の住民達が揃っていた。
「皆さん揃いましたね?それでは、楽しんでいらっしゃい」
『『『はーい!』』』
門番に見送られ、一同は人間界へと向かった。
ざわざわと騒がしい人間界。
子供達は悪魔に扮し、家々のドアを叩く。
「とりっく おあ とりーと?」
「あいむとりーと」
大人たちは笑顔でお菓子を渡す。
まさか、この子供達の中に、本物が混じる事など、夢にも思わないのだろう。
「Trick or treat!」
笑顔でドアを叩き、ラミルは手を差し出す。
「ハイ、どうぞ」
優しく微笑まれて、手にお菓子を握らされる。
「Tank you!」
その暖かさに、僅かなくすぐったさを感じつつ、ラミルはお礼を言って家を出る。
「良かったですね」
ラークが笑う。
ラミルは貰ったキャンディーの包みをはがして口に放り込む。
「れも、なんれラークはもらわないんらわ?」
キャンディーをもごもごとさせながら話すラミルの言葉に、ラークは微笑みながら答えた。
「キャンディーは苦手なんですよ」
ふーん、と一応は納得したラミルだが、んん?と、すぐにまた首をかしげた。
「何で今の家のお菓子がキャンディーって分かったんだわさ?」
「さぁ〜て」
その言葉には、ラークは答えることは無かった。
「「Trick or treat!お菓子くれなきゃ悪戯するぜ?」」
「あら、それは大変。はい、どうぞ」
こちらはジャックとファーム。
こちらも優しげな婦人からクッキーの包みを貰っている。
「「Tank you!」」
二人もお礼を言って、家を出た。
「いっぱいもらえたな!」
「おう!でも・・・悪戯したかったな・・・」
そう、残念そうに呟くジャックの手には生卵。
ハロウィーンの悪戯の定番であった。
少々行儀は悪いが、パキンッと歯でクッキーを齧りながら二人は賑やかな街を再び歩き出した。
『『『とりっく おあ とりーと?』』』
一方、キュラとリースは。
「Yes, please.」
なぜか子供達にお菓子をせがまれていた。
ラークのようにラミルに子供にしてもらっているわけではない二人は、『子供』と言うのは苦しい。
それを重々承知している二人は、人間界に降りてくる前に大量のお菓子を準備している。
悪戯は、されないですみそうだ。
「ウフフ・・・綺麗な(瞳の)子供がいっぱ〜いvv」
「り・・・リースちゃん!!(汗)」
お菓子を上げるのと同時に、リースを抑えなければならなかったキュラは大変そうではあったが。
次へ
戻る