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□#1 〜3日目〜
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はじめましてお嬢さん。
ちょっとぼくと話をしようか。
学校での出来事、家族の事、何でも話してごらん?

それらは全て・・・大切な判断基準となる。


#1 〜3日目〜


「ふぇ・・・ここは・・・どこぉ〜?!」

へたりと、スカートが汚れる事も気にせずに座り込む。
ゆきは本日も、学校へ行くのに時間がかかりそうです。

「あれ?ゆきさん・・・?」

ふいに掛かった声にゆきは振り向く。
そこには、

「笑美さん!」

驚いたような顔をした笑美。ゆきはその偶然に驚き、そして喜んだ。
『これで学校に行ける』と。




「でも吃驚・・・したな。ゆきさんにこんなところで会うなんて」
「私もです。・・・と言うより、1時間歩いたのに家から3キロも離れてなかった方に驚きました・・・」

ゲッソリしたように呟くゆきと、くすくすと笑う笑美。
そんな笑美を見て、ゆきは思う。
『笑顔が多くなってきた』

しかし、学校に着いた途端にその笑顔は消えうせ、暗い表情になる。
それが、ゆきには残念で仕方なかった。

授業が始まり、何時ものように過ぎ、代わり映えの無い学校生活。
どの授業でも、先生がまともに笑美を当てる事は無く、たまに当たるかと思えば執着に彼女を指名する。

食事の時間は弁当を落とされたり盗まれたり。
掃除の時間には押し付けられ、放課後には靴を隠される。

(居ない事にしたかと思えば、今度は意地悪?何を考えているのか分からない・・・)

そんなことを考えながら、ゆきは笑美と共に学校を後にした。

「それじゃぁ、私の家は此処だから」
「あ、はい。それじゃぁ私は5時までに家に帰るのを目標に頑張りますね!」

グッと意気込めば、笑美は『頑張って』と一言返す。
ちなみにただいまの時刻は4時。ゆきの家は此処からまともに行けば5分もかからない場所にある。
方向音痴も此処まで来るとある意味特技だ。

「そういえばゆきさんの家って、どこなんだろう?」

歩いて行くゆきを見送りながら、笑美はそう一言、呟いた。



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