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□死神の国
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「あ、ゆき」
「あ、はるひちゃん。久しぶりです。今回は・・・二人でお仕事なのでしょうか?」

受付へ向かう途中で、一緒に呼び出された人物を見つけて、はるひは声をかける。
それに小さく会釈をして、相手も返事を返す。

「さぁ。四季は直前まで何も教えてくれないからなぁ〜」
「ですね」

二人は苦笑いしつつ、長い廊下を渡りきり、受付のドアを軽く叩く。

「どうぞ」

中から返事が返ってきたのを確認して、二人は部屋に入った。




「おはよう、二人とも。今回は二人で行動してもらいます」

「それは、ターゲットが二人ってコト?」

はるひの問いかけに、彼女は首を振る。

「いいえ。一人です。ρ2859(ゆき)には内側から。ρ1920(はるひ)には外で接触してもらいます」

「どういうことですか?α-0001(四季)さん」

四季の言う事がイマイチ良く分からないと、ゆきが首を傾げれば、四季は笑いながら、資料を差し出した。

「詳しい事はそこに書いてあります。しっかり読んで、1週間後に結果を報告してください。」

「「はい」」

資料を受け取りながら、二人は返事をした。





資料を読みながら、二人は廊下を歩いている。

「なぁ、ゆき。ぼくは今回キミの母親と言う設定らしいな」
「みたいです。私は・・・中学2年生?」

どんな姿になるだとか、今回のターゲットは随分と若いだとか、そんなことを話しながら、二人は一度家路に着いた。



「お待たせ、ゆき」
「ううん、全然待ってないよ、お母さん」

再び二人が集合した時、そこには全く違う姿をした二人がいた。
はるひは長い黒の髪に優しそうな笑みを乗せて。
ゆきは肩までの黒髪を一房縛り、肘まである黒の手袋を嵌めて、病弱そうな少女になっていた。

二人は『親子らしく』手をひいて、人間界へと降りるゲートを潜っていったのだった。


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