□シルフィードの配達人
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「アイレ。準備は出来た?」
「はい!アンジュ先輩。」

ヘルメットを被り、エアバイクに乗り込むのは、フィーネの中で一番コンビネーションが優れているアイレとアンジュのペア。

運転をアイレ、配達をアンジュが担う。



ヴゥ・・・・ン

アンジュがエアバイク(ルナベルと言う名がついている)のエンジンをかける。

「いっくよぉ〜ルー君!」

そういうと、二人(ルーを入れると3人?)は、空を駆けた。

「今回の手紙は、緊急の物ばかりね。」

アンジュが郵便鞄をのぞきながら呟く。
その言葉に、アイレは少し考えて、

「それじゃぁ、端から順に配りますか?アンジュ先輩。」
「そうね、そのほうが効率はよさそうだわ。それじゃぁ・・・南から配りましょう。」

あて先を確認してアンジュは答える。

「わっかりましたぁ!ルー君。全速力で行くよぉ〜!」

ビュ・・・ン―

凄いスピードでルナベルは空を翔る。
物の数分でアイレ達は最南端にいた。

リンゴン♪

ベルを鳴らす。
フィーネは手紙を手渡しで渡すのが決まりだ。
それは、確実に受け渡したという証明にもなる。

「は〜い。」
「こんにちは、マリーさん。お手紙ですよ。」

「あら、ご苦労様。」

マリーは手紙を受け取ると、ふわりと笑った。

この笑顔が、フィーネ達へのご褒美になる。

「それじゃぁ、失礼します。」
「ご苦労様、気をつけてね。」

マリーに見送られ、アイレたちは次の家へと向かう。

『ありがとう。』
『ご苦労様。』

行く先々でかけられる声に、どんどん嬉しくなって、配り終わる頃には二人の顔は笑顔が溢れていた。



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