□無題
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学生の朝と言うものは、慌しい物で。

「鈴菜。れーいーな。起きて下さい。」

ベッドの上で惰眠を貪っている少女―鈴菜―を、ゆさゆさと揺り起こす少年。

「ん〜〜・・・後、五分〜・・・」

起こされている鈴菜のほうはと言うと、窓から入ってくる日差しを受けて、『あぁ、今日は晴れなんだなぁ・・・』なんて、ぼんやりと考えながら、まだ布団を握り締めている。

「後五分も寝ていたら学校に遅刻してしまいます!起きて下さいってば鈴菜!」

そういいながら必死に揺り起こす少年の科白に、鈴菜は飛び起きた。

「今何時?!」

漸く起きた鈴菜にほっとした笑顔を見せながら、少年は告げる。

「8:10です。」
「やべぇ!遅刻する!!!」

少年の言葉に、完全に目が覚めた鈴菜は布団を跳ね除けて準備を始める。

「下にご飯がありますから着替えたら降りてきてくださいね。」
「おう、わりぃな、歩夢。」

少年―歩夢―はそういってリビングへと降りて行った。




それから、3分で鈴菜は仕度を済ませる。

「もう少し落ち着いて食べてください!」
「ふぉんはふぉといっふぇも・・・(そんな事言っても・・・)」

食事もろくに噛まずに流し込んで、歩夢に叱られていたが。

ちなみに、余談ではあるが今日は2人とも一時限目が体育なので、体操服を着ている。

「鈴菜、制服そこにありますから持って行って下さい。」
「サンキュー歩夢。」

制服の入った紙袋を持って、二人は走って学校へ向かう。

二人の足が速い事もあって、学校には無事につくことができた。




「しまった・・・」
「歩夢〜?どうしたんだよ。」

授業終了後、歩夢がフゥ、と溜め息を付く。
そんな歩夢にクラスメイトが声をかけて、固まった。

・・・正確には、笑を堪えて小刻みに震えている。

「笑わないでください!!・・・鈴菜のところに行ってきます。」

クラスメイトは取り敢えず一発殴る事にして、歩夢は足早に鈴菜のクラスへと向かった。



コンコンッ

「鈴菜、居ますか?」

ノックをして、ドアを開けて。
手近に居た生徒に声をかければ、鈴菜を呼んでくれた。

「鈴菜・・・」

用件を話そうとして、歩夢は止まった。
その原因は、鈴菜の格好。

「どうして・・・僕の制服を着ているんですか?」

そう、歩夢は鈴菜の制服と自分の制服を間違えて持ってきてしまったのだ。
目の前の鈴菜はそれを何事もないかのようにごくごく普通に着ている。

思わず歩夢はそう尋ねてしまった。

「だって・・・返しに行くの面倒だったし、おれはズボンの方が落ち着くし・・・歩夢・・・スカート似合・・・すみません嘘です、冗談です!だからお願いですからその笑顔をおさめてください、手に持ってるカッターを引っ込めてください!!」

途中で言葉を切り、謝り倒す鈴菜。
歩夢は笑顔でカッターを取り出し、刃は出ていないものの、明らかに鈴菜に向けられていた。
笑顔が、恐ろしかった。

鈴菜は知っていた。
高校生にしては低い身長、長めの髪に大きな瞳、それ故に歩夢が度々女子に間違えられる事を。
それに歩夢が酷くコンプレックスを抱いていた事も。

そして、歩夢が切れるとかなり恐ろしい事を。

知っていたし覚えていた。
それなのに実行してしまうという事は・・・鈴菜は螺子が一本足りないのかもしれない。

その後、即行で制服を着替えて歩夢に返却し、席に着いたころには、鈴菜はクタクタになっていた。

「何でまだ一時限目終わったばっかなのにこんな疲れてんだろ・・・おれ。」

鈴菜の呟きには、数人のクラスメイトが心の中で返す。

『自業自得だ。』
・・・と。

End.


□後記□

鈴菜さんと歩夢君。
オリジの中で名前が気に入っている子の一人(二人)です。
設定にもありますが、一応鈴菜のほうが年上なんです。
弟の方が強い・・・可笑しいなぁ・・・
歩夢君はなぜか紳士。
二人の口調を入れ替えたら良い感じなんじゃないかと・・・思うこともありますが、このままで(笑)

それでは、支離滅裂な文章ですが、楽しんでいただければ幸いです♪

06.09・07

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